「お金のかからないボイストレーニング方法とは?」

自宅でも簡単にボイストレーニングできる方法をご紹介します。

初めての方にも分かるよう基本から説明しています!

・ボイストレーニングに通うお金や時間が無い
・そんなに本格的じゃない
・だけど音痴を直したい
・カラオケが上手くなりたい

今回はそんな方にオススメな「自宅でできるボイストレーニング」をご紹介していきます!

1. ボイストレーニングのやり方は前準備が大切!

スポーツや運動をする前に軽く走り込みをしたり準備運動をするのと同様、歌も体を使いますので準備が必要です。

1-1. 体を温める

声というのは、温まっていた方が出やすくなります。

特に冬や寒い時期には筋肉が収縮してしまうので、声帯の筋肉をほぐすために、温めることが重要です。

温める方法としてオススメなのは以下の通りです。

・半身浴(肩周りが冷えないようにホットタオルを肩にかけると良いです。)
・ぬるま湯や、温かいお茶を飲む。
・歌うまでは乾燥や湿度、温度を保つためにマスクをする。
・首の後ろにホットタオルを当てる。

また、手足の冷えなど身体の末端からの冷えも筋肉を収縮させてしまう恐れがあるので冬の時期は手袋やカイロなどで冷やさないよう注意しましょう。

1-2. ストレッチで体をリラックスさせる

ボイストレーニングを行う際も、運動やスポーツをする時のように軽く体のウォーミングアップを行います。

軽くその場でジョギングしたり、屈伸運動、またヨガなどの有酸素運動が効果的です。

また、「発声」において大事なのは身体の軸となる、頭・首・肩、腰の部位です。

声を出すために直接的に必要ではありませんが、より良い発声をするためには「軸」をブレないようにする事が重要となりますので、重点的に揉みほぐしたりぐるぐる回したりしましょう。

1-3. 腹式呼吸で呼吸をコントロールする

みなさんは「腹式呼吸」が出来ていますか?

「腹式呼吸」と「発声」には深い関わりがあり、胸式呼吸での発声と腹式呼吸での発声では大きく響き方が異なってきます。

よく、腹式呼吸を意識し過ぎて大きく吸いすぎたりお腹を膨らますことに集中しがちなのですが、これではリラックスはできません。

喉や筋肉が疲れてしまい、かえって良いボイストレーニングが行えません。

なので、いつもの呼吸にプラスアルファの軽いイメージで自然に息を吸い、「体の隅々にまで酸素が行き渡ってる〜」くらいの腹式呼吸を心がけましょう。

この時に、肩で吸ってしまったり胸に力を入れてしまうと胸式呼吸になってしまうので気をつけてください。

1-4. 姿勢を正す

次に、ボイストレーニングの基本となる「姿勢」についてです。

ピアノやトランペットなどの楽器が歪んでいたり、ズレていたらどうでしょう?音が思うように出なかったりピッチが変わってしまいますよね。

それらの楽器と同じように「発声は自分という楽器から出た音」だと思ってください。

そうすると、姿勢は凄く重要だと言うことが分かりますね!

まずは、全身鏡の前で何も考えず何気なく直立してみて下さい。

・両肩は同じ高さにありますか?
・顎や頭部が体重に負けて前に出ていませんか?
・骨盤の位置は両方同じ高さですか?
・膝の位置がズレていませんか?
・左右どちらかに体重がかかっていませんか?

これらひとつでも当てはまる方は、すぐに治しましょう!

なかなか自分ではどこが歪んでいるか分からないものなので、ボイストレーニング中だけでも全身鏡の前で行いましょう。

1-5. 喉を開く

普段喋っている時の喉の開き方と、ボイストレーニングや歌唱時の喉の開き方は異なります。

普段の喉の開き方から、いきなりボイストレーニングや歌唱時に開いてしまうと、喉にかなりの負担がかかってしまい傷める原因となります。

では、喉を開く、とはどのような状態のことをいうのでしょうか? 喉を開くとは、

・喉仏をしたに下げる
・軟口蓋を上にあげる

事です。

喉仏とは首にある出っ張りのことを言います。

男性は特に出ているので分かりやすいですね。

女性や子どもなど、分からない方は唾をごくっと飲んでみると喉仏が動くのでわかりやすいかも知れません。

その喉仏をできる限り下の方へ持っていくことで喉の広がりが良くなります。

高音域に近づくほど喉仏は上がっていきます。

次に、軟口蓋を上げてみます。

そもそも軟口蓋というのは、口の中の上顎の喉仏に近い柔らかい部分を言います。

のどちんこに近い部分です。

あくびをするイメージで口を開けて、軟口蓋らへんの筋肉を動かしてみましょう。

すると口の奥に空洞ができ、軟口蓋が上がっている状態が完成します。

2. 自宅でできるボイストレーニングのやり方【基本編】

準備が整ったところで、早速ボイストレーニングを始めましょう!

2-1. 発声

先程もご説明した通り、いきなりのボイストレーニングは喉を痛めるのでまずは地声で発声していきます。

自分の出しやすい音程で一定の音量で10秒間出してみましょう。

この時音がブレたり震えてしまう人は腹式呼吸になっているかチェックしてください。

次は一定の音量ではなく、小→大(クレッシェンド)していきます。

10秒が出来たら20秒、30秒と伸ばしていきます。

逆の、大→小(デクレッシェンド)もします。

同じく10秒続けられたら20秒、30秒と伸ばしていきます。

2-2. リップロール

リップロールとは、唇を閉じたまま声を出し「プルルルルルルル」と唇を振るわせることをいいます。

リップロールの効果

リップロールの効果は以下の通りです。

・息がブレなくなる
・音が取りやすくなる
・裏声が馴染みやすくなる
・脱力した発声が身に付く

リップロールトレーニングのやり方

まずは口全体と唇の力を抜きリラックスさせます。

リップロールが苦手な方は唇を濡らしましょう。

そのまま、できる限り長く一定の音量と、息でリップロールが続くように繰り返します。

一定で続くようになったら、リップロールしながら様々な音程の声を出していきましょう。

可能であれば喉仏を下げてリップロール出来ると良いです。

2-3. タングトリル

タングトリルとは、巻き舌をしたまま発声することをいい、「ドゥルルルルルルル」と巻き舌で振るわせます。

タングトリルの効果

タングトリルが出来るとブレスコントロールや、舌の滑らかさが身に付きます。

また、微妙な調整も出来るようになります。

出来ない方は、電話の「プルルルルルル」を真似してみましょう。

すぐに出来なくてもそのうち出来るようになるので安心して下さいね。

タングトリルトレーニングのやり方

リップロールと同じように、一定の音量、一定の息の量でタングトリルしていきます。

これを5分間続けます。

2-4. エッジボイス

エッジボイスとは、喉の奥でぶつぶつと弾けるようなザラザラした声のことをいいます。

ちょっと想像しにくいですよね。

映画「呪怨」のあ゙あ゙あ゙あ゙って幽霊が言ってますよね。

つまりあのあ゙あ゙あ゙あ゙はエッジボイスなんです。

平井堅さんや福山雅治さんの歌い始めの低音部分がまさにエッジボイスですね。

エッジボイスの効果

エッジボイスの効果は以下の通りです。

・声帯が閉じられるようになる
・高音域を出しやすくなる
・息の量を少量に抑えられる
・明るく、響く声を出せるようになる
・喉に余分な負担がかからなくなる
・声帯付近の筋肉が鍛えられる
・高音時の雑音を除去する

エッジボイストレーニングのやり方

まずは体の力を抜いてリラックスさせます。

次に、地声で「あーー」という声を出し、徐々に音を下げていき限界まで下げていきましょう。

すると、「あ゙ー」とざらついた声になってきます。

ざらついてきたら吐く息の量を少なくし、声を弾けさせるイメージで発声してください。

コツを掴めてきたら低音だけではなく高音でも挑戦してみてください。

エッジボイストレーニングの注意点

エッジボイスのトレーニングを行う際は、適度に水分を補給し、休みながら行いましょう。

やり過ぎてしまうと、喉を痛める原因となります。

2-5. チェストボイス

チェストボイスとは、胴体をスピーカーのように響かせる声のことをいいます。

チェストボイスは歌で一番使われている発声方法とも言われていますが、高音域での発声には不向きとされています。

プロの歌手が歌う時にキーが低めな部分がありますが、そこはチェストボイスを使っているとも言われています。

チェストボイスの効果

チェストボイスの効果は以下の通りです。

・音域が広がる
・喉が上手く開く
・通る声になる
・声に深みが出る

チェストボイストレーニングのやり方

最初は口を閉じ「んー」という声を頭の上から出すような感覚で鼻を通して出してみましょう。

この時、鼻の空洞に声の響きが感じられると思います。

これを鼻腔共鳴といいます。

次に、あくびをした時の口と喉の形をイメージして腹式呼吸で発声していきます。

最初は出しやすい音程でか行を発声していきましょう。

か→き→く→け→ことなるにつれ、喉仏が下がっていれば正解です。

2-6. ヘッドボイス

ヘッドボイスとは、息漏れのしないキンキンしてない声です。

つまり芯のある裏声のことを言います。

頭のてっぺんに響かせる発声方法です。

ヘッドボイスとファルセットの違い

ヘッドボイスとは強めの芯がある発声ですが、ファルセットは息漏れのある発声方法です。

また、ヘッドボイスとファルセットでは周波数が違うため、別物であると言えます。

ヘッドボイスは頭のてっぺんから声を出すイメージですが、ファルセットは、スーーっと息漏れのある高音になります。

ヘッドボイストレーニングのやり方

ヘッドボイスを出す際は、喉を開くことが重要となります。

喉仏をしたに下げ、軟口蓋を上にあげて口の中に空洞を作ってください。

あくびをする感覚で「ふぁーーー」と裏声を出していきます。

どうしても息漏れしてしまう方は、少し喉を閉めて見てください。

あまり閉めすぎるとキーンとツラい発声になるのでやり過ぎは注意です。

口の奥を縦に開き、咽頭へ響かせることがコツです!

3. 自宅でできるボイストレーニングのやり方【応用編】

これまでにご説明してきたものは基本に当たるものです。

では次にちょっとテクニックが必要なボイストレーニングについてご説明していきたいと思います。

ですがまず、基本が不安定だと、次に進む工程でブレたり声が震えたりして安定した発声を行えません。

きちんと土台を固めてから次のステップへ進みましょう!

3-1. ビブラート

ビブラートとは、音を伸ばす時にその音の高さを揺らすことを言います。

ビブラートを使用する事で、音楽により豊かな響きを与え、音楽表現の範囲を広げることができます。

ビブラートトレーニングのやり方

よく、ビブラートを喉でおこなっている方がいますがそれは大きな間違いです。

ビブラートは、お腹や「横隔膜」を使ってかけていくからです。

まずは横隔膜をコントロールして声帯に空気を送り込んでいく感覚を掴みましょう。

とはいってもイメージしにくいと思うのでそんな方は口を開け舌を出しながら「はっはっはっはっ」と犬の真似をしてみてください。

すると、横隔膜が動いているのがわかります。

そのまま、声を出し「あーー、あーー、あーーあーー」と徐々に繋げてみるとビブラートの完成です!

3-2. ファルセット

ファルセットとは、芯のない「スー」と息漏れをした裏声のことを言います。

情緒的で繊細な発声になります。

地声では出ないような高音域を出せるようになります。

地声が低くてもファルセットを使うことで高音域を出せるようになります。

ファルセットトレーニングのやり方

ファルセットを出す際に重要になってくるのが、「絶対に喉を絞って無理に出さない」事です。

喉に力が入ると、呼吸がスムーズでなくなるので特に高音が出なくなってしまいます。

まずは、全身の力は抜き、リラックスさせます。

次に鼻歌を歌う感覚で鼻筋から抜けるような気持ちで息を吐きます。

「あーーー」というより「はふぁーーーん」という感じです。

とにかく抜けるような音をイメージすると出しやすいかもしれません。

地声からファルセットに切り替えるポイントは、自分が「そろそろ出ないかも」と思う少し前らへんで切り替えると綺麗に繋げることができます。

直前に切り替えてしまうと、声が裏返ったり出ない現象になります!

3-3. ミックスボイス

ミックスボイスとは、「ミドルボイス」と呼ばれる事もあります。

ここでは「ミックスボイス」と呼ぶことにします。

また、国や人によって定義が異なり、様々な意見があります。

ここでは、一番多かった定義でご説明していこうと思います。

ミックスボイスとは、地声と裏声の中間の声と表現されることが多いようです。

地声のような太くて芯のある声と、裏声のような高い音が出るためとも言われています。

ミックスボイストレーニングのやり方

まずは、裏声を出したまま声帯を閉じてみましょう。

すると、抜けるような高音ではなく芯のある高音へと変わります。

しかし、そのままでは声が詰まった感じになり苦しいので次に、喉を開きます。

ここで、先ほど閉じた声帯はそのまま閉じたままにしてください。

どうですか?
地声のような響いた裏声が出せているのに気が付きましたか?

なかなかに難易度が高くイメージもしにくいかも知れませんが、コツがつかめると地声のような芯のある高音を楽に出せるようになります。

3-4. リズム感を鍛えるトレーニング

リズム感って、生まれ持ったものだと思って諦めていませんか?

実は、どれだけリズム感が悪い人でもちょっとのトレーニングで簡単にリズムが取れるようになるんです。

裏を取る

まずは、メトロノームを用意しましょう。

最近ではスマホのアプリにも沢山ありますので探してみてください。

まずは「60」くらいに合わせます。

カチッ。カチッ。カチッ。カチッ。という音に合わせて手拍子をしてみましょう。

頭を動かしたり、つま先でリズムを刻むとメトロノームに合わせて手拍子がしやすくなります。

メトロノームにピッタリと合わせて手拍子が出来たら、手拍子の間にもさらに、手拍子を加えてみましょう。

つまり1.2.3.4とメトロノームがなったら手拍子は8回手拍子を打つことになります。

メトロノームの倍速という事です。

それが出来たら、次はメトロノームと交互に手拍子をしてみましょう。

つまり、メトロノームが鳴っている時は手拍子しません。

はい!これでもうリズムを取れていることになります!

なぜなら、メトロノームが鳴っていない時に手拍子をしたというのは「リズムの裏を取る」ということになるのです。

「裏拍子」ともいいます。

4. 恥ずかしがらずにやってみる

今回は「自宅で出来るボイストレーニング」についてご紹介しました。

ボイストレーニングは小さい声や弱々しい声では全く実になりません。

大きい声や歌うのって恥ずかしいなぁと思う方もしらっしゃるかも知れませんが、ボイストレーニングを重ねる事で完璧な発声方法や歌声を手に入れる事ができるので恥ずかしいことではありませんよ。

お勧めするのは全身鏡の前でボイストレーニングをすることです。

姿勢や口の開け方を自分の目で見て確かめることによってボイストレーニングの効果もぐんと上がります。

みなさん是非、全身鏡の前で堂々とボイストレーニングしてみてくださいね!

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