あなたは歌が上手くなるためにどのような練習をしているでしょうか。
歌もスポーツなどと一緒でがむしゃらに練習しても上手くはなりません。
ちゃんと意味が合った練習をすることで、歌は上手くなるのです。
今回はそんな歌が上手くなるための練習方法を紹介していきます。
1. 上手い人の歌を聞くことも練習方法の1つ
歌の練習といっても自分1人で一生懸命歌うだけが練習ではありません。
歌が上手い人の歌を聞くことも上手くなるにはとても重要です。
しかし、ただ歌が上手い人の歌を聞くだけじゃなく集中してあらゆる部分を細かく分けてみることでより歌が上手くなるでしょう。
そもそもどんなものでも上達するためにはすでに上手い人を真似るということは非常に大事だと言われています。
もともと「学ぶ」という漢字は「真似る」から派生した言葉であり、かつては「真似ぶ」が今の学ぶという意味だったそうです。
どんな分野にも当てはまりますが、基礎がしっかりとしていなければ応用することもできません。
なので、しっかりと上手い人の歌を聞いて技術を真似しましょう。
それではいったいどういうところを注目して上手い人の歌を聞けばいいのでしょうか。
1-1. 上手い人のリズムの取り方とは
まず歌が上手い人はリズムの取り方が上手いのが特徴です。
歌によって早いテンポの曲からゆったりしたテンポのものまでありますが、しっかりとリズムが取れることで息継ぎのタイミングや音程などもブレることがなくなります。
また人によってリズムの取り方はそれぞれでマイクを握りながらリズムをとる人や歌いながら体を動かして歌う人もいますが、それぞれ自分なりにリズムの取りやすい方法があると思います。
上手い人はその方法でリズムを取れていて上手く歌えているわけなので自分には合わないからとやらないで決めつけるよりも一度は試してみるなどあらゆるものを真似してみましょう。
2. 体の構造を理解して声が出るメカニズムを知る
次に歌が上手くなるための練習方法として体の構造を理解して声が出るメカニズムを知る方法があります。
これも実際に歌を歌う練習ではありませんが重要な部分です。
歌以外にも言えることですが、やはり体の仕組みや理論を知っていなければどこをどう動かしていいかがわからないため感覚に頼ることになります。
しかし、本当に上手い人はちゃんと高い音を出すにはどうしたらいいのかや歌声を響かせるためにはどのような発声が一番向いているのかを頭で理解した上で行っています。
スポーツなどでも勘や感覚のみに頼ってただなんとなく上手くいくからやっていたらスランプに陥った時や調子が悪い時にどこをどう直せばいいかわからなくなってしまいます。
また、本来の自分の力を充分に発揮できたならもっとすごい力を発揮できるのに体の構造を理解していないために充分な力を出せていなければもったいありません。
なので、体の構造を知って声が出るメカニズムを知ることは非常に重要なのです。
また、特に声帯の仕組みを知ることで歌の表現の幅をさらに広げることが可能です。
そのために、どうして声が出るのかというところから知っていくといいでしょう。
2-1. 声の出る仕組み
そもそも声はどのようにして出るようになっているのでしょうか。
なんとなくは理解していても体の構造をわかった上で説明できる人はなかなかいないと思います。
まず声が出る仕組みとしては4段階に分かれています。
・肺から息を送る
・声帯を振動させる
・体で共鳴させる
・発音する
この段階は特別歌を歌う時だけではなく、普通に人と話している時ももちろん同じように行っていますが歌であれば意識することでより歌声が変わってきます。
なぜかというと歌う時普段普通に話している時とは違う息の出し方や、普段では使わない発声の仕方をする必要があるからです。
ちなみに歌を上達させるためにはこのいま説明した段階を断片的にやるのではなく、全体的にやっていく方が効果があります。
なぜなら全てが一連の動きのパターンなので一部を気をつけて治すより、同じ動作として振動を共鳴させるポイントを探して、次に息のスピードを調節しつつ、正しい発音をすることで初めてイメージした歌声”で歌えるようになるからです。
だから最初に声の仕組みの全体を理解しておくこが大切になるのです。
そもそも息というのは「横隔膜(おうかくまく)」という部分の筋肉を下げて肺を膨らませることで蓄えられた空気を吐き出しています。
深呼吸した時に気付きやすいですが、吸った時は肺が大きくなって、息を吐き出した時は肺が縮んでいるのがわかるでしょう。これが呼吸の基本です。
この空気を吸った時にその空気は肺にいき、膨らむのがわかると思いますが、肺で呼吸をするわけではなく、正しくは横隔膜の筋肉を使った上で肺を膨らませたり縮ませたりしているのです。
また音程を変える時には声帯に圧力をかける力を変える必要があります。
普段の生活している時の呼吸では横隔膜をほとんど使わずに肺に入った空気はすぐに吐き出してしまっています。
なので喉で歌っていたり、しっかりと肺に空気を入れないで歌を歌うとあまり上手くなりません。
そこで圧力を調節するための呼吸法として腹式呼吸というものが使われます。
よくお腹に力を入れて歌った方が良いと言われたりするのはこの複式呼吸のことなのです。
なぜ複式呼吸の方が歌が上手くなるのかと言うと腹式呼吸をすることで横隔膜が空気を支えてくれるようになります。
するとその横隔膜の力によって息の量と息を出すスピードを自分でコントロールできるようになるからです。
そして吐いた息に声帯の振動を加える事で「音」として他の人に聞こえるようになります。
声帯というのは喉仏のあたりにある2本の筋でできています。
その声帯は普段呼吸をしているときは常に開いています。
男性の場合は喉仏がハッキリと出ているのでわかりやすいですが、女性にも顔を上にあげることでわかりやすく見つけられます。
喉で歌を歌おうとすると声帯が閉じます。
そして息の圧力で空気を押し出すことによって声帯が震えて音が出るのです。
次に声帯が振動したことによって出た音を、体の様々な場所で響かせる段階です。
一般的に体の中で響く主な体の場所は3つあり、口腔(こうくう)と咽頭共鳴腔(いんとうきょうめいくう)と鼻腔(びくう)です。
楽器で考えるとわかりやすいですが、例えばトランペットを吹いたとして息を吐き出し管を通って振動させて、さらに今トランペットの音が出る部分で音を響かせているということです。
体にある口腔や鼻腔といった空間のことを共鳴腔(きょうめいくう)といいます。
これらの共鳴腔に響かせることで声帯で起こった振動が大きなものとなり、遠くまで大きく響かせることができるのです。
楽器にはほとんど空洞があります。
例えば先ほどにも説明に出したトランペットや太鼓、ギターなども空洞があることで、そこで音を響かせて音を出しているのです。
歌っているときにしっかりと共鳴腔を使えているかどうか判断できる方法として腹式呼吸で歌ってみて、その時に鼻に手を置いてみましょう。
そうして声帯の振動を集めてみて、震えていたら、共鳴腔で正しく響かせられているという証拠です。
息を声帯に通して震わせて、さらに体に響かせるところまで説明しました。
そして最後にその音を口の中で発音することで言葉として違った音や言葉になります。
先ほどのトランペットの例でいうところのどの音階にするかなどをきめる部分です。
発音というのは一般的に口の動きと舌の動きだけで行われていると思われていますが、実は顎や鼻、頬などの表情の筋肉を動かす事でも変えています。
日本語は「t・s・k・n・mなど」の子音と「a・i・u・e・o」の子音が合わさった言葉から形成されています。
日本人はアメリカ人などと違って子音と母音を分けて発音することが非常に苦手です。
そのため英語の発音なども苦手になりやすい傾向があります。
しかしこの子音と母音に分けて発音できるようになることでより歌はハッキリと聞こえ上手くなります。
3. 自分の声の特徴を把握する
歌が上手くなる練習として自分の声や特徴を把握することも重要です。
スポーツなどでもそうですが、誰にだって得意なものと不得意なものがあります。
得意なものを伸ばす方がより伸びしろがありますし、苦手なものがわからなければ修正することもできません。
例えばわかりやすい例として野球選手でもカーブやスライダーを投げるのが得意な体の特徴を持っていてもひたすらストレートの剛速球を投げる練習をしていてはもったいありません。
それは歌で言えば高音を出すのが得意な人もいれば、低音を出すのが得意な人。
またバラードの歌にピッタリな声の人もいればアップテンポの歌にあう声の人もいるからです。
本当に歌が上手い人は自分の歌声・声質をよく知っています。
そして自分に合った得意な領域を活かす歌い方や歌を選んでいます。
あなたは自分の声をちゃんと聴いたことがあるでしょうか。
本当の自分の声というのは普段話していて聞いていたり、カラオケで歌っているときに聞こえるときの声ではないのです。
例えば自分の声をビデオやレコーダーで録音したり、留守番電話の声を聴いて自分の声に違和感を覚えた人も多いとは思いますが実際にはそちらが本当のあなたの声です。
カラオケなどで歌っている場合に聞こえる自分の声というのはエコーがかかっていたり大きな声が反響しているため、違う声に聞こえます。
なので実際には自分の声をちゃんと知っている人は少ないのです。
この点で歌が上手い人や歌のプロは自分の本当の歌声をしっかりと理解しています。
自分の歌声がどのように聞こえているか知ることで歌を歌った時にどうやったら表現力がつうのかや相手にしっかりと歌詞が届くのかを考えることができます。
つまり自分の声の特徴を知ることで自分の持ち味や弱点を把握して修正したり際立たせることでより歌がうまくなるのです。
4. 歌の基礎を徹底的に練習する
歌の練習法として実際の行動的な部分ではなく理論的な部分にも紹介してきましたが、やはり実際に体を使って行動しなければ理論があっても上達しません。
またどんなに歌がうまくなっても基礎は重要なため、歌が上手くなりたいのであれば基礎を徹底的に練習しましょう。
では歌の基礎の練習とはどういったものがあるのでしょうか。
4-1. 腹式呼吸
まず第一に挙げられるのが先ほど説明した腹式呼吸です。
腹式呼吸ができることでより遠くに大きく歌が届くようになりますしブレなくなるので重要です。
腹式呼吸の方法としてまずお腹の腹筋に力をいれて静かに呼吸をしましょう。
そして腹式呼吸がちゃんとできたら、息を吐くときに少しだけ口を開けて、「ハァ~」っとため息をつくような感じで息を吐きます。
この時に喉に力が入らないように勢いをつけないことが大切です。
次にこのため息をつくように出した壱岐に軽く「アー」っと声を出しながら息を出します。
この時も声を出したときに喉に力が入らないように注意しましょう。
この方法に慣れてきたら「アー」を長くのばしたり、高くしたりすることでより腹式呼吸で歌えるようになり上手くなります。
4-2. リップロール
歌の練習やボイストレーニングの基礎的なトレーニングとして、リップロールという方法があります。
このリップロールというのは、唇をロールさせるトレーニングのことでプロも行うかなりポピュラーな方法です。
リップロールとは具体的に説明すると唇を閉じた状態で空気を出して、唇をブルブルと震わせる方法です。
リップロールの効果
リップロールには様々な部位のトレーニングになるので非常に便利です。
なかでもリップロールをやって得る効果として大きく分けて4つあります。
1つ目はリップロールをやることで「リラックス」することができます。
歌を歌う時には適度にリラックスしている状態が一番良いと言われています。
特に唇のリラックスは重要であり、リップロールで唇を動かすことによって力が抜けて笑筋や口輪筋、頬筋など唇のまわりの筋肉を刺激しリラックスさせる効果があるのです。
また2つ目の効果として音程を正しく取れるようにもなります。
音程というのは声帯のヒダが振動した微妙な動きで作られます。
なのでリップロールを行うことで声を出さずに息だけで音程を上下するので動くのは必然的に声帯のみになります。
くちびるのブルブルさせるのを維持して、音程を上げたり下げたりするというのは、普通に声を出すより難しいです。
なので、それを繰り返すことで、音程の細かいコントロールが出来る様になります。
3つ目の甲かとしては横隔膜のトレーニングにもなります。
リップロールは空気の吐き出す量が多すぎても少なすぎても続きません。
なので長く続けるためには腹式呼吸により横隔膜を使って一定の空気量を調節する必要があるのです。
この排出空気の量を調整する時に横隔膜に多少の負荷がかかることで横隔膜が鍛えられます。
最後のリップロールの効果として 裏声と地声を滑らかに繋ぐ練習にもなっています。
リップロールでは唇が閉じているので大きな音が出ません。
なので必ず自然なボリュームになっています。
そのため裏声も地声よりは音圧が低いので、地声から裏声へのチェンジが滑らかに行えるようになります。
5. 他人に聞いてもらう機会も大切!
歌の練習として他人に聞いてもらうことも重要です。
他人に聞いてもらうことで評価してもらえたり、アドバイスをもらえます。
自分一人ではわかっていないことが客観的に見てもらうことで適切にアドバイスしてもらえるので非常に重要です。
しかし、他人の中には全て批判的に言う人もいれば大袈裟にほめる人もいます。
だからある程度フラットに自分で咀嚼して言われたことを考え直して冷静に要点をまとめることが重要です。
これにより褒められた部分はさらに伸ばし、指摘された部分は練習して直すことでさらに歌がうまくなるでしょう。
まとめ
今回は歌が上手くなるための練習について紹介しました。
何においてもやはり上達する為には上手い人を真似しながら自分の特徴を知って、改善していくことが重要です。
また基礎がしっかりとできていないとなかなかうまくなるまでに時間がかかるので、しっかりと基礎練習を続けることが歌がうまくなる一番の近道なのではないでしょうか。