みなさんは、歌をうまく歌うためにもっとも重要なことは何だと思いますか?

腹式呼吸やビブラートなどの細かい技法をあげる人もいるでしょう。

ボイストレーニングなどの本格的な指導を受けることだと考えている人もいるでしょう。

しかし、歌をうまく歌うということに関して言えば、もっとも重要なことは「リラックス」して歌うということです。

体をリラックスさせて、緊張することなく歌うことで、自分が持っている最大限のパフォーマンスを出すことができます。

なぜ歌を歌うときにはリラックスしていることが重要なのでしょうか。

リラックスできていない状態ということは、身体のどこかに力が入っているということになります。

そして、歌うときには「喉」に力が入ってしまっていることが多いです。

喉に力が入ってしまうとどうなるのか。

それは、「喉が締まった状態で歌う」ことになります。

喉が締まる・開くという言葉はあまり聞きなれていないかもしれませんが、歌は喉を開いた状態で歌わなければ、声量も出ませんし、きれいな音も出ません。

そのため、喉が締まった状態で歌うのは避けなければなりません。

それにもかかわらず、リラックスできていないと、喉が締まった状態で歌うことになってしまいます。

そこで今回は、喉の「締め」ということに注目して、喉が締まった状態とはどういうことなのか、どうやってそれを解消して喉が開いた状態で歌えば良いのかなどを紹介していきます。

1. 歌が上手にならない「喉締め」とは?

喉が締まった状態で歌っているということが、良くないことであるということは理解していただけたかと思いますが、そもそも喉が締まっているとはどういう状態のことを指すのでしょうか。

喉の状態のことですから、外から見てもなかなか分かりません。

そこで、どうやって見分ければいいのかなども紹介します。

喉が締まっている状態とは、読んで文字のごとく、喉が開いておらず締まっていることを指します。

もっと詳しく説明すると、喉だけでなく首や肩など、とにかく身体中に力が入ってしまっていて、口の中の空間を広くとることができない状態のことを指します。

「口が閉じた状態」とは異なります。

あくまで「口の中の空間が狭い」状態のことで、口が開いているからといって喉も開いているかは別問題です。

少し分かりづらいという人は、肩などに力を目一杯入れて、身体を小さくしてみてください。

その状態で歌ってしまっているのが、喉締めの状態で歌っている人です。

いかにも歌いづらそうではありませんか?

それでは、喉締めの状態で歌うことの何が良くないのでしょうか。

先ほどの姿勢で一度真剣に歌ってみると分かりますが、まず声が出ません。

喉の空間がつぶれてしまっていて、外に出る空気の量が減ってしまうわけですから、声量が出ないのも当然かと思います。

また、歌っていて喉が非常に疲れます。

狭い空間を目一杯使って音を出そうとするわけですから、それだけ喉に大きな負荷がかかります。

その結果として疲れやすくなってしまいます。

そして、喉に大きな負担がかかっているわけですから、喉の病気などにもなりやくなってしまいます。

喉を締めたまま歌い続けてプロになるのは難しいでしょう。

さらに、歌声が安定しないというのも、喉締めの状態で歌ってしまっている人の特徴です。

喉を締めていると、あまり声が出ないのですが、たまに喉が開いてしまったりしていきなり声量が上がったりします。

そのようなことが続きますので、聞いていても非常に不快になるような、安定しない歌声になってしまいます。

だからこそ喉締めは解消しなければならないのです。

2. 喉締めを解消して歌が上手になる方法

それではここからは、喉締めの状態を解消するための具体的な方法を紹介します。

ここで紹介することを一つ一つ実践していけば、喉締めは直すことができますので、諦めずに行っていきましょう。

2-1.ストレッチ

まず最初の方法は、歌う前にストレッチをするということです。

「え?そんなこと?」と思うかもしれませんが、意外とこれが重要であり効果があります。

先ほど説明したように、喉が開かないというのは体中の筋肉が固まってしまっているため起こっています。

リラックスできていないからと言い換えてもいいでしょう。

それでは、筋肉が固まっていたら運動の前に何をしますか?

もちろんストレッチですよね。

歌でも同様のことが言えるのです。

歌を歌うだけだからと言って何もしないと筋肉が固まった状態で歌うことになってしまいます。

そこで、歌を歌うときに使う筋肉をストレッチしましょう。

具体的には、首や肩・表情筋などをストレッチするのがおすすめです。

運動とは異なりますので、それほど激しいストレッチは不要ですが、肩や首を回したり、表情筋を動かしておいてから歌い始めるだけで、ずいぶん歌声は異なって聞こえます。

2-2.割り箸トレーニング

ストレッチは、歌を歌う前に毎回行っていただくとして、やはりそれだけでは根本的な解決にはなりません。

そこで次に行っていただきたいのが、「割り箸」を利用したトレーニング方法です。

割り箸でしたらどこの家庭にもあるかと思いますので、今すぐ行うことができます。

具体的な方法としては奥歯で割り箸を噛んで歌う、それだけです。

やり方は簡単ですよね?

できることなら、高音を頻繁に利用する曲の方がおすすめです。

実際に割り箸をくわえて歌ってみると非常によく分かりますが、歌いづらいです。

特に高音が出しづらいです。

喉をしっかり開いた状態で歌わなければ、割り箸を奥歯にくわえたまま歌うことはできないでしょう。

ここでも喉には力を入れないことを意識してください。力で無理矢理声を出しても意味はありません。

3. 喉締め改善ボイトレメニュー

喉締めの状態がいかに良くないか、改善するべきなのかは理解していただけたと思います。

そこで次は喉締めを改善するためのボイストレーニングメニューを紹介します。

3-1.腹式呼吸

まずは何と言っても「腹式呼吸」をマスターすることです。

腹式呼吸をマスターするためにおすすめの方法は、寝転びながら歌うことです。

寝転んだ状態で体に力を入れずに歌うと、自然と腹式呼吸ができます。

そこで、寝転びながら歌って腹式呼吸の感覚を掴んでください。

おへその辺りに手を置いて歌ってみると、そこが上下しているのが分かるでしょう。

それが腹式呼吸ができている証拠です。

3-2.リップロール

喉締めを改善するための次の方法は、「リップロール」です。

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、ボイストレーニングとしては定番のメニューです。

歌がうまくなるための基本的なトレーニングと言うこともできるでしょう。

リップロールとは、口から空気を送り込みながら唇をプルプルと震わせるトレーニング方法です。

動画などを調べてみると、多くのやり方が出てくるのでぜひ確認してみてください。

見た目は地味なトレーニングですので、あまり意味がなさそうに思えるかもしれませんが、喉締めには非常に効果的なトレーニングです。

正しくリップロールを行うと、横隔膜のトレーニングにもつながるため、腹式呼吸もマスターできると言われています。

また、裏声もきれいに出るようになりますので、一石二鳥どころか三鳥も四鳥もあるトレーニングです。

吐き出す空気の量が一定になるように調整すると、きれにリップロールができるようになります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

喉締めの状態は、歌を歌うには良くない状態ではありますが、自宅でのトレーニングで改善することが可能です。

上記のような方法を参考にぜひがんばってみてください。

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