あなたは歌の練習をし続けて声が出なくなったり、喉が痛くなったことはないでしょうか。
喉が痛い時に無理して歌の練習を続けてしまうとさらに状態が悪化してしまいます。
また意外と分かっているつもりで喉のケアをしていてもそれが逆効果になっているかもしれません。
なので今回は歌を歌って喉が痛くなる原因やその対処法について詳しくご紹介します。
少しでも参考になれば幸いです。
1.歌うと喉が痛い原因は?
1-1.喉が閉まっている
歌を歌って喉が痛くなる原因として一番に挙げられる理由は、喉が閉まったままの状態で声を出し続けていることです。
喉が閉まった状態というのはボイストレーニングなどをしている方なら知っているかもしれませんが、咳やタンを切る時のような喉に力が入ってしまっている状態のことです。
喉が閉まっている状態は歌を歌うときには決して良い状態とは言えません。
なぜならば、喉が閉まっていると余計な力が喉に入ってしまっているので歌を歌っても高音が出ませんし、息が続かなくなります。
それでも喉を閉じた状態で歌うことで喉を傷めてしまい、声が出にくくなってしまうのです。
逆に喉を開いた状態というのは身体がリラックスしているため余分な力が喉に入っていません。
そのため、あくびをした時のような通りの良い感じを実感できると思います。
喉が開いていると声が非常に出しやすく、高音も無理なく出すことができます。
また空気の流れが良くなることで、とても声が響くようになりますし、歌を歌うには良いことだらけです。
1-2.無理な音域を出そうとする
また、歌を歌って喉が痛くなる原因として無理な音域を一生懸命出し続けていなかったかも重要です。
人間には誰しも出しやすい音域と出しにくい音域があります。
一般的に言えば男性は低音の方が出しやすいですし、女性は高音が出しやすい傾向があります。
歌を歌う時は普段話しているときとは違った声の出し方をしています。
そのため無理に高音を出してしまうと喉が傷ついてしまい、喉が痛くなる原因となります。
また喉も他の体と同様にいきなりハードに動かすのはよくありません。
スポーツ選手が試合前に準備運動するように歌を歌う前には発声練習をするなどして喉を温めることが重要になります。
1-3.風邪、ウイルス
喉が痛くなる原因として風邪などのウイルスも気を付けなければいけません。
特にカラオケなどで歌を歌う場合は前の人が使ったマイクに菌がついていることもあるので、終わった後の手洗いとうがいで喉を痛める予防をすることが必要になってきます。
さらに歌を歌った時に喉が痛くなる原因として寝不足も関係してきます。
喉ももちろん体の一部ですから寝不足が続くことによって体調と同じように調子が悪くなることがあります。
なので、合唱をする際や長時間歌う日の前日はしっかり睡眠をとっておくことも重要になります。
2.歌うと喉が痛い場合は「喉を開く」練習をしよう!
これまでは歌を歌って喉が痛くなる原因を紹介しました。
なので、次は喉を傷めない歌い方や練習方法などの具体的な解決策を紹介していきます。
喉を痛めない歌い方は先ほども少し触れましたが、喉を開いて歌うことです。
喉を開いて歌うことで喉に無理な力がかかりませんので良い歌声になります。
さらに喉を痛めなくなるので良いことづくしと言えます。
では喉を開くにはどうしたらいいのでしょうか。
喉を開くには二つのポイントがあります。
まず、一つ目のポイントは軟口蓋を上げる事です。
そして、二つ目のポイントは喉仏を下げる事です。
この二つのポイントを気を付けることで、口の奥にある咽頭という空洞になっている部分が広がります。
この二つに気を付けることで喉が開き、声が共鳴して響くようになるのです。
簡単に言うとイメージ的には、あくびをした時のような口の奥が上下に引っ張られる感じだと認識するといいでしょう。
ではここで詳しく説明していきます。
①軟口蓋の位置を確かめる
まず軟口蓋の位置を確かめる必要があります。
軟口蓋というのは食べ物が鼻の方に入らないようにする蓋のような役割をしています。
軟口蓋の場所は、のどちんこが付いている近くの上顎の柔らかい場所がそうです。
舌で上顎を触ろうとすると柔らかい部分があると思うのですが、そこが軟口蓋と言います。
この軟口蓋は上に上げることができます。
なので、歌を歌う時にあくびのように口の奥を上下に広げるように意識すると軟口蓋を上に引き上げる事ができます。
②喉仏の位置を確認する
次に喉仏の位置を確かめる必要があります。
男性の方が喉仏の位置はわかりやすいですが、女性にもちゃんとあるので安心してください。
喉仏の位置の確認方法として、まずあごの下に人差し指を置き、ゆっくりと下げていきます。
そうすると、盛り上がったVの形をした軟骨を発見できます。
少しだけ上を向いた方が発見しやすいかもしれません。
また、喉仏はつばを飲み込むことで上に上がります。
なので、喉仏を探すにはつばを飲み込んで上に上がる部分を探してみましょう。
この喉仏が喉を開かせているときに下がっていることを意識できるようにするとよりよくなります。
喉仏は高音になればなるほど上がっていってしまう特徴があります。
なので、高温であればあるほどなるべく喉仏を下げようと筋肉を使うことを心がけましょう。
この筋肉を使うのと力を入れるのは少し違い、リラックスした状態で喉の筋肉が動くように注意するのがコツです。
③腹式呼吸で歌う
喉を痛めない歌い方の練習方法として腹式呼吸を使った歌い方をするのもオススメです。
腹式呼吸とは息を吸った時にお腹に力を入れながら歌う方法です。
喉で歌うのではなくお腹に力が入っているので声量も大きくなりますし声もぶれることはありません。
そしてなにより喉には余計な力が入りにくくなるのでおススメです。
また、腹式呼吸の時に背筋も一緒に使うのがポイントです。
背筋にも力が入ることで背筋が良くなって声が通りやすくなるうえに、腹筋と背筋を同時に引っ張ることによって横隔膜を下げられます。
これにより少ない息で響くようになり疲れません。
3.歌うと喉が痛いなら日頃ケアにも気をつけよう!
歌を歌って喉が痛くなる原因と喉を痛めない歌い方や練習方法を紹介してきました。
次は日ごろから注意できる具体的な喉を痛めない方法がいくつかあります。
その歌で喉を痛めないようにする方法を気を付けることで喉のケアをしていきましょう。
3-1.無理に声を出そうとしない
まず一つ目の歌で喉を痛めないようにするための注意すべきこととして無理に声を出さないことです。
当たり前のことですが、喉が痛くなっているということは喉が傷ついていて腫れているかウイルスによって炎症している場合があります。
他の体の部位もそうですが、痛い時に無理に動かしてもいいことはありません。
なるべく安静にして喉を休めましょう。
また、歌を歌うに当たって準備運動となる発声練習は必ずするようにしましょう。
発声練習をするかどうかで喉を痛めにくくなりますし、いい歌が歌えるようになります。
さらに急に高い音を出すのもあまりよくありません。
高い音を出すのは負担がかかります。
たとえばスポーツ選手がいきなり難易度の高い技を繰り出すのと同じことなので徐々に音域を上げるようにした方が喉の為にはいいでしょう。
とにかく喉が痛い時は痛い時は安静にするのが一番です。
辛い物などもあまり喉にはよくないのではちみつを舐めたり、のど飴をなめるのが効果的です。
また、しょうがも体を温めたり喉をよくする効果があります。
なので、喉が痛い時は積極的に食べましょう。
3-2.アルコールやタバコを避ける
アルコールやタバコは喉にとってよくありません。
特にタバコは喉にとっては一つもいいことがないので、喉を大切にしたいのであればタバコを吸うのは辞めておいたほうがいいでしょう。
またあなたも飲み会などで経験したことがあるかもしれませんが、飲み会の後のカラオケは非常に喉を痛める原因になります。
なぜかと言うと飲み会でお酒を飲むことによって喉の粘膜がやられてしまいます。
また酔っているので大声を出したり、自分は吸わなくても他の人のタバコの副流煙を吸ってしまっているため喉を悪くする原因ばかりです。
アルコールを飲むことによって、梨状陥凹(りじょうかんおう)という場所にアルコールが行きます。
それによって、整体粘膜に刺激を与えることになり、声帯粘膜を傷つけて、声帯の振動を邪魔するのです。
またアルコール成分を取りすぎると声帯を乾燥させます。
喉は乾燥するのが一番の天敵であることからも、いかに良くないかがわかるでしょう。
ただし少しの量のアルコールであれば問題はありません。
また少しのアルコールを飲むことで血行が良くなり体温も上がるというメリットがあります。
アルコールを取ることで体の力も抜けるので、あくまで大量のアルコールを飲まない限りは心配することはないでしょう。
カラオケのとき、少し飲みながら歌うと声の調子が良くなるのはそのためです。
アルコールより喉に悪いのがタバコと言われています。
タバコを吸うことで気道に炎症を起こしたり、咳や痰を出す慢性の呼吸器疾患になるなど喉にとってメリットになることは全くありません。
またたばこを吸うことで、喉の粘膜を刺激します。
喉の粘膜が刺激されると粘膜が傷つけられてしまうので、自分で吸うのはもちろん吸っている人にあまり近づかないように注意するなどしたほうがいいでしょう。
3-3.乾燥に注意する
部屋が乾燥していたり、冬の時期になると乾燥が原因で喉を痛めてしまいます。
なので、乾燥には十分気を付けましょう。
簡単な乾燥対策としては外に行くときはマスクをすることです。
マスクをすることで口の中の乾燥を防ぎますし、他人の風邪の菌をもらわないのでとても重要です。
またマスクはこまめに取り換えるようにしましょう。
菌が付いたままのマスクは風邪の元と言ってもいいくらいの菌がついています。
そのため表面は触らないようにするのも忘れないでください。
また乾燥対策としては部屋の湿度を加湿器などで調整することをおすすめします。
特に12月から3月にかけては非常に乾燥しやすいので部屋の湿度を60%くらいに保てると最高です。
少なくとも50%は維持するように気を付けるといいでしょう。
乾燥に気を付けるために水分をとることも重要です。普通に水を飲むのでもいいですが、喉の粘膜をケアする飲み物として一番いいのは牛乳です。
牛乳を飲むことで喉の粘膜を保護する効果があります。
牛乳は喉の粘膜に薄い膜を張ってくれるので冬場は特に水より牛乳をホットで飲むなどの対策をすると良いでしょう。
さらにハチミツも粘膜を守るのにいい効果を与えてくれます。
そのままハチミツを舐めるのもいいですが、ホットミルクにスプーン一杯程度飲むと味も美味しいのでお勧めです。
まとめ
今回は歌を歌って喉を痛めてしまう原因とその対策や歌い方について紹介しました。
喉は歌を歌う時に最も重要な体の一部です。
ケアを怠るとせっかくの上手い歌も台無しになってしまいますし、慢性的に喉が痛くなってしまうかもしれません。
プロであればあるほど喉には注意しているので歌が上手くなりたいのであれば喉のケアも練習の一つだと思って注意してはどうでしょうか。
知っているようで意外と知らずにやってしまっていたことなどもあると思うので乾燥が続く冬は気を付けましょう。